藻ずくサンバイズ

やっていきませう

冬の佐渡遠征と島から出られなくなった話

自然には敵わないねぇ。

 

2月の22日~24日の間、トキを見に佐渡に居ました。

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両津港佐渡汽船にて出迎えてくれるサドッキー。最近クチバシの手術をした

 

 

この時期のトキは繁殖期のため、↑ や数多のトキグッズ・イラストに見られるトキとは少し外見が異なり、顔のまわりが黒っぽい。顔は赤いが首まわりの地肌は黒く、繁殖期になるとそれが厚くなってポロポロ剥がれるのだが、それを顔に塗りこむことで黒っぽい外見になる。羽が黒く変化したのではなく、黒いお化粧をしているのですね。

 

繁殖期にこのような行動をする鳥はトキだけらしく、なんとも不思議な特徴を持っていらっしゃる。

 

 

そんなトキを見に、いつものように?トキの森公園へ

前回の遠征で年パスを購入したので入り放題です

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トキふれあいプラザの勇気とさくらペア(お顔真っ黒!)

既に擬交尾等々確認されており、良い感じだそう?

 

 

もっと近くで…

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ドジョウを獲る瞬間

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トキのくちばしには神経が通っており、水中などを探してくちばしに触れたものを獲る。獲るまではいいが、食べるまでがへたくそなのでよくリリースする。

トキは肉食性であり、ドジョウの他昆虫も食べる。カメムシを食べることもあるそうで、嗅覚はそんなに良くないのかな~と思った。

 

 

ちなみに、トキの森公園そばのデコイが置かれている場所で野生のトキに遭遇した。

朝一で来た時に観察できたが、やはりここには良く来るらしい。

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野生のトキが自分の田んぼに来る来ないで盛り上がっていたスタッフの方々が印象に残った(来るとうれしいんだって)。島民の生活の一部にトキが入っていることのすばらしさよ。

 

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まさに「トキとの共生」

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず目的は達成したので、あとは帰るだけ。

で、ここまでが2日目までの体験で、本当は2日目に佐渡を離れる予定だった。

帰る当日、日本海側は強風と大しけで荒れており、結果帰りのフェリー(というか帰る日のフェリーすべて)が欠航となってしまった。

 

 

 

あちゃー、となっていた自分に対して、

 

「トキ交流会館に泊まってみるといいよー」

 

とスタッフの一声。

一般的なホテルほどアメニティが充実していない+周辺にお店が無いという不便さはあるが、格安で宿泊できるっぽい。この機会に泊まってみた。

 

 

困ったときのトキ頼み

早速部屋に入ると、そこは和室…!

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かわいい畳

 

そして電波が全くつながらない…!部屋によって電波状況が異なるっては聞いてたけど、自分はずっと圏外だった。

一応近くに銭湯はあるものの、バストイレ付きの部屋に泊まったので使わなかった。特にやることもないのであたたかいお布団でおやすみなさい。

 

そしてトキの鳴き声で朝を迎える贅沢。

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おはようございます

 

 

天気は回復し、無事フェリーも出航しました。生きて帰ってこれた。

3日間風雨に曝され、 帰りのフェリーは出航するも揺れで船内が地獄と化し、散々な遠征になったなぁと。でもやっぱり佐渡っていいね。

 

お次は4月のトキマラソンで。 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ佐渡

 

安定のまるいし

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よろこんで

ブリの香味ステーキ定食

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エビチリ定食

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大変美味しゅうございました。

 

 

 

おまけ2

 

なんかあった

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なんかあった2

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(..◜ᴗ◝..)

 

 

あけました2020 at 男鹿水族館GAO

明けましておめでとうございます。2020がやってきましたね。

 

昨年は動物園・即売会尽くしで、多少生産的な活動ができた一年だったと思います。界隈の方々には大変お世話になりました。

今年も何かしらイベントに参加しつつ、教養として色々な知識を増やしていく所存でございます。年明け一発目でGacktさんがとても良いことを話されてましたね。知識のアップデートは心掛けていきたいです。僕はMALICE MIZERも好きです。

 

 

話は変わりまして、私は今秋田の実家に帰省しています。秋田の動物園といえば記憶にも新しい、エンリッチメント大賞2019にノミネートされた大森山動物園ですが、1/4から休日のみ開園する雪の動物園が始まります。

2020初動物は大森山を予定していたのですが、実家のカッチャマがGAO行くか?と聞いてきたので二つ返事でOK出して行ってきました。

 

GAOとは秋田県男鹿市にある県内唯一の水族館なのですが、アクセス難易度が高いことで有名?です。有名なのでしょうか。以前Twitter桂浜水族館さんがこんなツイートをしてたことを思い出しました(勝手に引用してごめんなさい、そのうち行くんで許して)。

 

 

 リプライにGAO挙がってますね(わかる) 

ということで新年初動物はGAOになりました。よかったね

 

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実質初詣。

 

ペンギン水槽前のペンギン社におみくじがあったので引いたところ、大吉が出たので新年早々縁起が良いマンになりました。うちは初詣に行くという習慣がなく、おみくじも引いたことがなかったため、おみくじを結ぶ結ばないでググったりしていました。ためになったね。

 

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ホッキョクグマの豪太君は展示場でのんびり。

ユキさんは出産準備のためバックヤードにいるとのこと。

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ふわふわのくま

立派なお父さんになれることを願います。

 

 

遅くに来たのですぐ退散しましたが、やっぱり地元は良いですね。アクセス難なんとかしてくれ、、、と思いつつ、なんだかんだGAOが好きです。年内にもう何回か行けるといいですね。誰か連れてってくれ

 

ということで、本年もよろしくお願いいたします。

 

 

今年もおつかれさまでした2019

もう2019年が終わるんですね2019。

 

今年を振り返ると、ひたすら動物関連の場所行ってコミケの原稿書く一年だった気がします。また、日本の動物園の現状を知ったことで、動物園に対する考え方に変化があった年でもありました。

ただ闇雲に動物園に足を運ぶだけでなく、何か学びを得ようと書籍を購入したり、講演会にも積極的に参加して、自分もこの業界に貢献できることはないか模索していました(一番手っ取り早いのは寄付ですが)。まずは自分で見て知って、それを伝えることを意識してTwitterに写真や記事を載せてきました、コミケで動物園紹介本を出しました。

「見ている人は見ている」

秋田市大森山動物園の柴田飼育員さんがよくこの言葉を使っていますが、行動しないとそこで終わります。これからもできること探してやっていきませう。

 

 

一方で、学生時代一緒に発狂してた周りの友人たちは、立派に真人間になって仕事やら飲み会やら、××やら人生を謳歌しているようです。とても良いですね。

自分が動物園探訪始めたのもつい最近のことなので、傍から見ると何やってんだコイツみたいな感じになってんじゃないんですかね。けものフレンズお前のせいだぞ

 

 

ということで今年の動物関連あれこれまとめをやっていきます

 

行った場所・参加したイベントetc...

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行った場所

秋田県

・大森山動物園

男鹿水族館GAO

岩手県

加茂水族館

宮城県

・仙台うみの杜水族館

新潟県

佐渡トキの森公園

新潟市水族館 マリンピア日本海

茨城県

日立市かみね動物園

・アクアワールド茨城県大洗水族館

埼玉県

東武動物公園

埼玉県こども動物自然公園

智光山公園こども動物園

・キャンベルタウン野鳥の森

東京都

上野動物園

葛西臨海水族園

多摩動物公園

井の頭自然文化園

羽村市動物公園

江戸川区自然動物園

千葉県

我孫子市 鳥の博物館

神奈川県

野毛山動物園

ズーラシア

夢見ヶ崎動物公園

静岡県

日本平動物園

愛知県

東山動植物園

大阪府

天王寺動物園

海遊館

兵庫県

姫路市立動物園

岡山県

岡山県自然保護センター

 

イベント

・大哺乳類展2

・マンモス展

・恐竜博2019

・絶滅動物研究所

・いきものフェス

 

講演会

川端裕人さん×本田公夫さん「動物園から未来を変える ニューヨーク・ブロンクス動物園の展示デザイン」トーク

・つどえ オロロ~ン!

・エンリッチメント大賞2019表彰式

 

その他

・米とサーカス

・昆虫食 TAKEO

 

 

 

 

 

…こんな感じですね。

行った回数でいうと、東武7回が最も多く、次いでかさりん6回でした。年パス買えや。

唯一悔やまれるのは、台風の影響で石川遠征を泣く泣くキャンセルしたことです。今年は週末に台風多かったですね。自然には勝てません…

 

来年は、3月に四国水族館がオープンするので、それに合わせて四国遠征しようと計画しています。あとは天売島行きたいですね。

また、近年はエンリッチメントが各園館さんに浸透しつつあるので、その辺の取り組みにも注目したいと思います。

 

即売会は体調考えて出るか決めます。。。原稿作業が私生活に影響ありまくりで心身共に疲弊してたのでかなり厳しい、てか新刊ポンポン出すマン化け物では?

 

 

ということで来年もやっていきませう。おわり

 

冬のフライングメガドーム探訪 in 日本平動物園

最近日本平動物園推しがすごいんだけど、埼玉⇔静岡を日帰りって結構きつい。

 

12月21日、この日は「フライングメガドーム」という巨大なバードケージを目的に新幹線(片道だけ)予約してまでやってきた。来たついでに年間パスポートを購入したら、ちょうど年パス持ってる人向けに記念カレンダー配布してたみたいでラッキーでした。懐かしのてらだおねえさんからいただきました。

 

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さて、このクソ寒い時期にこんなクソでかい鳥かごに来た理由ですが、そこにバードケージがあるからというのはまぁ正解です。

日本平動物園は、園内に坂道が多く高低差が大きいという特徴があります。フライングメガドームは最大高さ15mほどらしいのですが、ドームを上から見下ろせるスポットがあると聞けば、どれほど高低差があるかは想像しやすいかと。膝がやばい

 

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※坂道の奥は猛獣館299。にゃんこいっぱいいる

 

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バードケージ、中から見るか、上から見るか。

 

 

ということで今回は、フライングメガドームを色々な角度から観てみようという目的で足を運んだのですが、この時期に来ないと草木で観察スポットが遮られてしまいます。寒くても気合でIKEA

 

この日は家族連れがほとんどで、いずれも長くて5分くらいの滞在時間だったかな。非常にもったいないなあと思いながら、自分は5時間くらい居ました。幸いなことに、この日は12月とは思えない暖かさでとても快適に過ごせました。まさに動物園日和。

 

 早速ドームに入り観察デッキまで進むと、、、

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みんな思い思いに暮らしています。
ペリカンの滑空も見られる数少ない場所です。

 

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観察デッキの屋根に上るホオジロカンムリヅル

いきなり自分の真上を飛んできたのでびびった。。。

 

 

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バードケージの中にサル?

実はここの鳥たちよりも前から住んでいるっていう大先輩。

 

 

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出入口すぐ横にいるミンゴさん方

よくスルーしちゃってるけどごめんなさいね

 

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ドーム内からなんとお隣の猛獣館を観ることも(見られてる…)。

隠れスポットです。

 

お次は外側から、、、

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観察窓から覗けばクロトキとショウジョウトキが観察しやすい。この時は草木が茂っている夏よりも特に。外側からでも内側からでも、お気に入りのスポットを見つけてみるのもいいんじゃないでしょうか。

 

 

また、フライングメガドームでは不定期で鳥たち(主にインカアジサシとモモイロペリカン)にお魚をあげるイベントが開催されます。自分が行くと毎回やってるのだが

これもすごい楽しいですね。お客さんたちに人気のイベントです。

 

しかし、自分にとって本当の楽しみはこの後。イベント終了後しばらくすると、飼育員さんが観察窓の真下、つまりショウジョウトキとクロトキがよく居る場所に魚を置いていきます。

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バサバサ…

 

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おいしいね

 

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君たちさっきお魚食べたよね?

 

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侵略

「「「逃げるんですけど!」」」

 

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なんだかんだ一緒に食べる

和みますね。

 

 

ごはんタイムが終わるころにはもう閉園時間がせまっていたので、この日のフライングメガドームはここまで。

 

様々な角度からドームを観察して、新たな観察スポットや鳥たちの行動を発見できたのは非常に良い収穫だったと思います。双眼鏡も貸し出ししてるみたいなので、次使ってみようかな。

好きな場所は1日居られるので良いですね。年パス使っていくぞぉ

 

 

~おまけ~

 

日本平超動物園のコラボメニューがすごい

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星形パプリカが埋め込まれたマッシュポテト、エビチリ、チキンライス、ごま団子とボリューム満点でした。一人で食べるのは結構きつかったけど、大変美味しゅうございました。

 

 

オロロン鳥のはなし「つどえ オロロ~ン!」

オロロロロ~~~~ン!(あいさつ)(?)

 

 

2019年11月10日、葛西臨海水族園にて「つどえ オロロ~ン!」と題して、オロロン鳥ウミガラス)をメインに「人と海鳥の関わり」についての講演会が開催された。

 

ウミガラスはチドリ目ウミスズメ科に属する海鳥のなかまで、日本だと唯一北海道羽幌町の沖合に浮かぶ天売島(てうりとう)で繁殖活動を行っている。現地ではその鳴き声から「オロロン鳥」と呼ばれているらしい。

また、飼育下では葛西臨海水族園アクアマリンふくしまの2園館で見ることができる。アクアマリンふくしまには行ったことがないのでわからないが、かさりんではお客さんからよく「ペンギン」「ペンギンモドキ」と呼ばれ、解説パネルを見ても「カラスなんだー、へー」となってしまい、なかなか正しく認識されない種だと感じている。

 

 

見た目はこんな感じ

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まーペンギンだのカラスだの言いたい気持ちはわからんでもない。

さっきのは冬羽のウミガラスであり、夏の時期は黒い部分が多くなる。

 

7月のウミガラス

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さて、今回はこのウミガラスに関する講演会の参加レポみたいなものになるが、このオロロンの集い、昨年も開催しており私は2年連続2回目の参加となる。

昨年はウミガラスの繁殖地を有する羽幌町と、葛西臨海水族園がパートナーシップ協定を結ぶということで、その調印式が行われた。

 

昨年のようす

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なんだこれは…

 

 

そんな前回を踏まえ、今回のオロロンの集いは、海鳥の研究者と天売島・羽幌町で活動を行っている方々、そしてかさりんの飼育担当者を迎え、様々な視点から海鳥との関わりについて話がなされた。

話の中でも興味深かったのが、「ウミガラスのクラゲを利用した採餌行動」と「人と海鳥と猫の共生」の2つである。

 

 

ウミガラスのクラゲを利用した採餌行動

これは、研究者佐藤信彦さんによって紹介された、アラスカの離島で観測調査を行った際の研究成果である(佐藤さんは海鳥調査で天売島を訪れたことがあり、研究者の立場から島との関わりについても語ってくださった)。

 

海鳥の採餌行動を「海鳥目線で」観測するため、島に生息するハシブトウミガラス*1にビデオロガーを装着し、水中での採餌の様子を記録したところ、クラゲの触手に集まる小魚を捕食するハシブトウミガラスの姿が確認されたという。

詳細は国立極地研究所のプレスリリースにて確認できるが、元々の研究背景はクラゲの大量発生による海鳥の採餌行動への影響に関する調査である。クラゲの大量発生による生態系への影響が懸念される一方、ハシブトウミガラスにとっては恰好の餌場として、プラスの方向にはたらいていることを著者らは結論付けた。

 

ウミガラスはクラゲのことをどう思ってるんだろう…と考えさせられるような、非常に興味深い内容だった。クラゲに集まる小魚と採餌に挑むかどうかの関係図や、実際に記録された動画などをプレスリリースで閲覧できるので、海鳥の視点に立って内容を見てみるといいかもしれない。

 

 

・人と海鳥と猫の共生

生まれも育ちも天売島の齊藤暢さんによる、天売島における諸問題への取り組みについての話。齊藤さん自身は天売島活性化のため、有志を集って「天売島おらが島活性化会議」を立ち上げており、特産品開発や給料を払うのが困難になった話、島にある唯一の高校の話など、様々な活動について語ってくださった。

 

天売島での取り組みの中でも、人と海鳥と猫の共生については、自分たちも見習わなければならないなと感じたほど。

天売島では海鳥の生息数が減少している要因として、島に生息する野猫の存在があった(もちろん他にも要因はあるが)。自分の中では野猫問題と言われると、殺処分や駆除の話、それに反対する動物愛護団体などが思い浮かび、正直あまり良いイメージはなかった。このイメージがあったからこそ、人と海鳥”と猫”の共生という言葉には驚きを隠せなかった。

この問題に対し、天売島では猫に関する飼養条例を制定し、飼い猫の登録制度や野猫への餌付け禁止といったことを掲げた。近年では野猫を捕獲し、ボランティアや動物愛護団体等と協力して人に慣れさせる訓練をした後、飼い主を探して譲渡するという活動をしている。結果として島内で野猫をほとんど見かけなくなったという。

 

 

…あれ、「殺処分」「駆除」という単語が出てこない。しかも「動物愛護団体と協力して」って。自分の中のイメージと真逆のことをやっているじゃないか。そんなことを考えながら聞いてたところ、齊藤さんは「海鳥側、猫側という立場に立つのではなくて、人と海鳥と猫が共生することを考える」と。いずれかの立場に立とうとすると考え方が偏りやすくなるから、フラットな視点で全体の利益を考えることを心掛けていこうと思った。すごい学びだ…

ちなみに始めのうちは反対する島民もおり、野猫の捕獲時に「猫の祟りに遭うぞ」と言われた人もいたらしい。時代を感じる。

また、捕食者である野猫が減ったことで、今度はネズミが増えたらしい。そちらに関しても対策が必要になりますねとのこと。

 

 

 

特に興味深かった話はこの辺にして、それはさておき今回のオロロン、予想以上のボリュームで満腹満足であった。海鳥がもっと好きになり、以前にも増して天売島に関心を持つことができた、そんなオロロンだったと思う。講演後のパネルディスカッションについても、「以前はかさりんでニシツノメドリを飼育していたが、エトピリカとよくケンカをしていた」などと面白い話ばかりであったが、書いてしまうと長くなってしまうのでこの辺で。

そして、講演中に何度も聞いたこの言葉

 

 

「ぜひ天売島にお越しください」

 

 

行こう。

 

 

おまけ:かさりん飯

 

大変美味しゅうございました。

 

 

 

*1:IUCNレッドリストによると、ウミガラスのなかまはウミガラス(Uria aalge)とハシブトウミガラス(Uria lomvia) の2種に分類される。また、日本で見られるのは亜種ウミガラス (Uria aalge inornata) であり、かさりんも亜種の方だった気がする。

ガイドツアーに参加した at 葛西臨海水族園

葛西臨海水族園(水族"館"じゃないよ)通称「かさりん」。

葛西臨海公園の中にそびえ立つガラスドームの存在感がすごい、今年で30周年を迎えた水生生物の展示・飼育施設。めでてぇ。

 

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ででん(2019年4月)

 

で、去年からちょこちょこ通ってるかさりんなんだけど、10月某日に初めてガイドツアーなるものに参加した。平日と休日で内容が違うらしいが、今回はクロマグロ水槽の裏側に案内された(いつもこの内容なのかな?)。

クロマグロ水槽はかさりんの目玉展示であり、ドーナツ型水槽アクアシアターの一角でクロマグロの群れが遊泳している様子を観察できる。

 

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ぶれぶれ(2019年7月)

 

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去年の東京動物園友の会の日にて(2018年9月)

視界不良による衝突防止のため、夕方からはガラス前に泡を噴出させる。

 

 

そんなクロマグロ水槽について今回、スタッフの解説を聴きながら、水槽の上からクロマグロを観察するという機会を得た。ガイドツアー中は撮影NGだったので、その時の写真は一枚も残っていないのよ、ごめんなさいね。

そこで見たこと聞いたことをまとめると、

 

  • 普段は水槽の上にあるライトを点け、クロマグロをより観察しやすいようにしている。クロマグロは光に敏感で、急に消灯したりするとびっくりしてガラスに衝突する恐れがあるため、徐々に明るさを変える。
  • 水槽横から見るとクロマグロの体は光って見えるが、上からだと体の色が周りと同化し、姿がはっきりと見えない。他の魚にもみられる特徴であり、体の色の仕組みを確認できた。
  • 人間の大人と同じくらいの図体をしながら、クロマグロのたまごの大きさは1ミリ程度。生まれたばかりの稚魚でも3ミリ程度の大きさであるが、1年で60センチほどまで成長する。
  • 水槽内に居る一番大きなクロマグロでも5歳くらい。
  • アジ、イカなどを与えている
  • 水槽内は約2,200トンの水で満たされており、何台もの(10台だったかな?)巨大なろ過装置で水を循環させている。

 

なるふぉどーと思いながら聞いていたら、スタッフさんがとある動画を見せてくれた。中身はクロマグロの産卵の瞬間を撮影した動画であり、撮影の成功例がとても少ないため、貴重な映像だという。ちなみにその動画は、かさりんのYouTube公式チャンネルから誰でも見ることができる(このとき公式チャンネルがあることを初めて知った)。

 

www.youtube.com

泳ぎながらまき散らしている白い粒々がたまご。圧巻。 

 

その後はエサの加工場を見学し、飼育展示している生物に与えるエサを見せていただいた。ゴカイを初めて見たので、うねうねしているのが面白かった。ドン引きしてる参加者もいたのはしゃーない。 

 

 

そんな感じで約45分間のガイドツアーは終了。

こういう水生生物を飼育している場所って、普段は綺麗な展示を見る機会しかないけど、バックヤードに回るとまー機械だらけで。工場みたいで表側との差がすごい。バックヤードは結構暑いんですよー、と裏側ならではの話も。

スタッフたちの努力と工夫があってこそ、私たちは生き生きとした生物たちを観察することができるんだなーと、改めて感じることのできたツアーだった。

 

 

 

おまけ:かさりんめし

 

まぐろカツおいしい。くらげ水まんじゅうも好き。

 

トキの森公園(佐渡)0913~0916

トキを見に佐渡へ。

 

 

新潟港フェリーターミナル

 

 

船外の様子

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両津港到着後、バスでトキの森公園へ

 

トキふれあいプラザにて、トキと初対面。

繁殖期が終わり、羽は白と鮮やかな朱鷺色に。顔の真っ赤な成鳥と違い、幼鳥は少しオレンジがかった色をしている。

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トキを見に来たついでにけものフレンズスタンプラリー参加。トキの森公園、トキ交流会館、田んぼアートに設置されたスタンプを押してトキの森公園受付に持って行くと、オリジナルクリアファイルがもらえるとのこと。

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トキちゃ…

 

ちなみにパネルの位置は日によって変わってた。

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今年の田んぼアートけものフレンズとコラボということで、たくさんの稲によってトキとトキのフレンズが描かれている。稲が色あせ収穫の時期ということもあり、見頃はすでに過ぎてしまっていたけど、まぁこれはこれで

 

 

夕暮れ空に指をそっと重ねたら

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スタンプラリーも終わり、トキ資料展示室へ。国内最後の日本産雄トキ「ミドリ」のはく製。

全身が灰色っぽいので繁殖期に亡くなったかと。

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国内最後の日本産トキ「キン」。

飼育下で36年生きた長寿のトキでもあった。

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日本産トキは一度絶滅し、現在は中国から譲り受けたトキを飼育下で繁殖させ、野生に戻す取り組みが進められている。飼育下のトキは野生へ放す前に、野生復帰ステーションにて人や車などに慣れるための訓練を行う。

正門を過ぎて奥に進むと観察棟があり、タイミング次第では野生のトキが見られるかも。

  

遠征中ちゃんと確認できた野生のトキは、稲刈りが終わった夕方の田んぼにて。

佐渡の空に放されたトキは島内だけでなく、本州に飛来した記録もあるらしい。

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トキのテラスにも寄った。

 

 

4日間トキの森公園に通った記録。

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かわいいね 

 

 

名残惜しいけど出航…

池飼育員さんともお話しできてよかった。また行こう(年パス買ったし)。

 

 

 

おまけ佐渡

 

 

大変美味しゅうございました。